『正欲』朝井リョウ あらすじと感想(ネタバレなし)

小説

今日は、2022年本屋大賞の4位
ランクインした、朝井リョウさんの
『正欲』をご紹介したいと思います。


○ 自分の知らない世界を知りたい人
○ 多様性が大切だと思っている人
○ 誰にも分かってもらえない苦しさを感じている人


に、とてもおすすめの1冊です。
 

基本情報とあらすじ

タイトル:正欲
著者:朝井 リョウ
発行日:2021.3.25
発行所:新潮社



男児のわいせつ画像を撮影・所持したとして
児童ポルノ事件の容疑者として3人の男性が逮捕された。


この事件の犯人たちは何者なのか?
この事件の裏に隠された秘密とは?


物語は、主に3人によって語られていく。


1人目が、検事の寺井啓喜。
彼には不登校の息子・泰希がいる。
啓喜自身は、泰希に
学校に行ってほしいと思っている。


しかし泰希は、同じく不登校でありながら、
「学校なんて行かなくてもいい!」と
主張する動画を投稿している
ユーチューバーの男の子に感化される。


そして、地域の行事で知り合った
不登校仲間と共にYouTubeに動画を上げ始める。


2人目は、寝具店の店員、桐生夏月。
夏月がこの仕事を選んだ理由は、
「睡眠欲は私を裏切らないから」である。


夏月は同級生の結婚式に呼ばれ、
佐々木佳道と再会する。
夏月と佳道は、以前ある秘密を共有した仲間だった。


3人目は、大学生の神戸八重子。
彼女は男性の視線に恐怖を感じるので、
今まで彼氏ができたことがない。


大学で毎年行われるミスコンに疑問を抱き、
「多様性」を重視する「ダイバーシティフェス」を
開くよう提案し、実行委員になる。


フェスの準備中に出会ったのが
ダンスサークルに所属する諸橋大也。
八重子はなぜか、彼の視線からは恐怖を感じない。


この3人の目線から語られる物語は、
どんどん動いていき、
最後には、冒頭の事件の真相が明らかになります。



人と違うが故に、
人と深く関わり合うことを避け、
孤独感に苛まれながら生きている人たち。


特殊であればあるほど
共感してくれる人は限られ、
誰かと繋がることができない。


そんな、苦しい世界の中で
生きている人たちのお話です。


ぶっちゃけ、楽しい話じゃないし、
人によっては、気分を害する人も
いるだろうなと思いました。


だけど、読めば、
間違いなくあなたの世界は広がります。



この世界の見方が変わります。


今まで△に見えていたことが、
見方を変えると、実は□だった、
ということに気づいた瞬間、
その人の世界は広がります。


自分の世界が広がる、
というのはとても素敵な体験です。

繋がりとマイノリティ

この本は先ほど、楽しい話ではない、
と書きましたが、
楽しいどころか、苦しさばかりです。


わたしは後半、
水の中でもがいているような
苦しさを感じながらページをめくりました。


主人公たちは、
ずっと苦しさを抱えて生きていたけど、


それでも、
「理解し合える人と繋がりたい」
という想いをずっと持っていました。


そして、最後に、
「普通の人」では考えられないような
強い繋がりを手に入れた。



この繋がりは、
血縁関係とか恋愛関係を超えた、
強い繋がりです。


人と人を繋ぐものって、
一体なんだろう?と考えてしまいました。


そして、
この本を読んでいるわたしの頭の中に
ずっとあったのは「マイノリティ」という言葉です。



マイノリティとは、
「社会的少数者」のことです。


人はみな、自分が
「多数派」であることを重要視しています。


レールからはみ出さないように、
「少数派」にならないように。


だんだんと「多様性」が
認められる世界になってきたけど、


それは、
「認められる多様性」である必要があり、
本当の意味での多様性ではない。



結局、人は、「多数派」にいたい。
だけど、それには矛盾がある。

三分の二を二回続けて選ぶ確率は九分の四であるように、”多数派にずっと立ち続ける”ことは立派な少数派であることに。

『正欲』朝井 リョウ著 新潮社

「多数派」って何でしょう。
「普通」って何でしょうね。


受け入れる、受け入れない、と
ジャッジするのではなく、
ただ、そのままの姿でいられるような、
そんな世界になるといいなと思いました。


わたしができることは、
自分に見えている世界、
自分が想像できる世界だけが全てじゃない、
ということを忘れずに生きていくことだと思います。


この本は、
答えが書いてある本ではありません。


読んで、あなた自身が考える、
それが目的の本です。


ぜひ、読んでみてくださいね(´ω`*)


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