『もう別れてもいいですか』垣谷美雨 あらすじと感想(ネタバレなし)

小説

今日は、垣谷美雨さんの
『もう別れてもいいですか』を
ご紹介したいと思います。


○ 離婚したいと思っている人
○ 夫のことが嫌いな人
○ 結婚している人


に、おすすめの1冊です。
 

基本情報とあらすじ

タイトル:もう別れてもいいですか
著者:垣谷美雨
発行日:2022.1.10
発行所:中央公論新社



主人公は、原田澄子(はらだすみこ)58歳。
田舎に住むフルタイムパート主婦。


ある日、友人から喪中はがきが届く。
亡くなったのは、友人のご主人。


そのとき澄子が思ったのは、
「羨ましい」だった。


澄子は、夫の孝男(たかお)が嫌いだ。

自分にとって、夫は鬱陶しい存在でしかなかった。夫が泊まりがけの出張に行くときなどは、前の晩から嬉しさを抑えきれず、顔に出ないよう気をつけなければならないほどだった。

『もう別れてもいいですか』垣谷美雨著 中央公論新社

自分の精神を正常に保つためには、夫を存在しないものと見なして諦めることが肝心だった。

『もう別れてもいいですか』垣谷美雨著 中央公論新社

孝男は、モラハラ夫で、
澄子のことを家政婦かのように扱う。


澄子は夫に対して不満があった。
だけど、それを口に出すことができない。


友人と出かけるときも、嫌味を言われ、
作ったごはんに文句を言われる。


夫に対して謝り、
愛想笑いをしてやり過ごす毎日。


どこの家庭も同じようなものだし、
みんな我慢しているのだから
わたしも我慢しなくては、と思っている。


だが、そんな日々は徐々に澄子を蝕み、
夫源病へと発展していく。


離婚したい。
でも、お金がない。


そんなとき、高校の同級生で、
当時は親友だった美佐緒(みさお)が
離婚したことを知る。


彼女に再会することで、
澄子は離婚する決意を固めるが、
夫と長年連れ添った情は、
そんなに簡単には消えない。


離婚する。やっぱり無理かも。
を永遠にループする。


果たして澄子は、離婚することができるのか?

お金があったら離婚したいという本音

わたしも夫との離婚を考えたことがあるから、
澄子の気持ちはとってもよく分かります(;’∀’)


離婚したい、と思ったときに、
1番最初に頭に浮かぶのは「お金」のこと。


正社員で働いていれば、
少しの勇気を出すだけでいいのかもしれないけど、


わたしは専業主婦だし、
澄子はフルタイムとはいえパートだから、
心細くならない方がおかしいと思う。


世の中の「夫」は、
多かれ少なかれ、孝男のような一面があると思う。


仕事もきちんとして、
家事もやる、育児もやる、妻に優しい、
そんな夫は、まず、いないと思う。


世の中の「妻」の気持ちをよく分かっていて、
読みながら「あるある!」「うんうん」と
共感しまくりの作品でした。


よく、「言われるうちが花」と言いますが、
これは本当だなと思います。


「もう~、ちゃんとやってよ~」と、
妻に文句を言われているうちは大丈夫です。


そのうち何度言っても直らないことを悟り、
何も言わなくなります。


何も言わなくなったからって、
決してそれが平気になったわけではなく、
心の中ではどんどん「不満」が積もっていきます。


それが、夫源病、家庭内別居、離婚へと
繋がっていくんだなぁと思いました。


とても面白く、
4時間くらいで一気に読みました。


垣谷さんの本は、けっこう読んでいますが、
本書は、少しユーモアが足りないように感じました。


明るく笑える作品というよりも、
シリアスで暗めの本かなと思います。


内容が「離婚」で、
経済的な不安が大きいとなれば、
それもしょうがないかなと思いますが…。


垣谷さんは、
主婦の気持ちや生活を描くのがとても上手なので、
「こんなふうに思っているのはわたしだけじゃないんだ」
と思えて、勇気が出ると思います。


ぜひ、読んでみてください(´ω`*)


ブログランキングに参加しています。
▼▼▼
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村


読書日記ランキング


コメント

タイトルとURLをコピーしました