『嫌われる勇気』岸見一郎、古賀史健 著 レビュー

心理学

今日は、読むと生きるのがラクになり、生きる勇気をもらえる本、岸見一郎さんと古賀史健さんの『嫌われる勇気』をご紹介したいと思います。


○人間関係に悩んでいる人
○自分に自信が持てない人
○アドラー心理学とは何かを知りたい人


に、おすすめの一冊です。
 

アドラー心理学とは



タイトル:嫌われる勇気
著者:岸見一郎、古賀史健
発行日:2013.12.12
発行所:ダイヤモンド社


この本は、シリーズ累計900万部を突破した大ベストセラーです。フロイト、ユングと並び、「心理学の三大巨頭」と称されるアルフレッド・アドラー。この本は、彼の思想を「青年と哲人の対話篇」という物語形式でまとめたものです。


世界はどこまでもシンプルであり、人は今日からでも幸せになれる、と説く哲学者。矛盾に満ちた、混沌とした世界を生きている青年が哲学者のもとに訪れます。


青年と哲人、2人の会話で物語は進んでいきます。その中で、アドラーの言葉を用いて、彼の思想を青年に伝えていきます。


多くの成功者たちが、アドラーの思想を取り入れているといいます。


『嫌われる勇気』が有名になったので、アドラーの名前を知っている人も多いと思いますが、今までは、アドラーの名前はあまり有名ではありませんでした。


わたしも、フロイトとユングの名前はよく聞きますが、アドラーのことは、この本を読むまで知りませんでした。


アドラー心理学は、学ぶ心理学というよりは、使う心理学です。


日々の生活に取り入れ、よりよく生きていくために使うものです。ここでは、5つのポイントに絞って大切なことをお伝えしようと思います。

1.トラウマは存在しない

わたしたちは、自分の経験の中から、今の「目的」にかなうものを見つけ出します。自分の経験によって決定されるのではなく、経験に与える意味によって自らを決定するのです。


学校でいじめられ、不登校になった子どもの例で見ていきます。


普通は、学校でいじめられたのが原因で、そのせいで不登校になったと思いますよね。ですが、アドラーはその考えをバッサリと否定します。


アドラー心理学では、過去の「原因」ではなく、今の「目的」を考えます。


いじめられた から 不登校になった。のではなく、学校に行かない ため に、いじめられたというできごとを理由に挙げているのです。


面白いですよね。原因ありき、ではなく、目的ありき、なんです。結局は、自分が体験したことに、どのような意味づけをするか、ということが大切です。

2.課題の分離

「これは誰の課題なのか?」という視点で考えて、自分の課題と他人の課題を分離する必要があります。そして、他人の課題には、踏み込まないことが大切です。


それが自分の課題なのか、他人の課題なのかを見分ける方法は、「その選択によってもたらされる結末を最終的に引き受けるのは誰か?」と考えることです。


例えば、子どもがなかなか宿題をやろうとしないとき。


親なら誰でも「早く宿題をしなさい」と言いたくなりますよね。ですが、宿題をしないまま時間が過ぎてしまい、寝る時間が遅くなるのも、はたまた宿題をせずに学校へ行き、先生に怒られるのも、親ではなく、子どもです。


宿題をしないことによって、もたらされる結末を引き受けるのは、親ではなく、子どもです。なので、「子どもが宿題をしない」というのは、親の課題ではなく、子どもの課題なのです。


それが誰の課題なのかを考え、他人の課題には踏み込まないことを意識することで、多くのことを抱え込まずに済みます。

3.自己受容

アドラーは、「大切なのはなにが与えられているかではなく、与えられたものをどう使うかである」と言っています。


できないことがあったとしても、「できない自分」をありのままに受け入れ、「どうしたらいいか?」を考えることが大切です。


このことを、本書の中では「肯定的なあきらめ」と呼び、詳しく教えてくれています。


まずは、「変えられるもの」と「変えられないもの」を見極めます。「何が与えられているか」は変えられないけど、「与えられたものをどう使うか」は変えられますよね。


変えられないものを変えようともがくのではなく、変えられるものに注目するのです。


例えば、早起きが苦手だとします。どう頑張っても早起きができないのに、それでも早起きしようともがくのではなく、「わたしは早起きが苦手だ」と認める。その上で「どうしようか?」と考える。


すると、早起きしなくても済む、昼からの仕事をしよう、となるかもしれません。これが「肯定的なあきらめ」です。

4.幸福とは

幸福とは「貢献感」のことです。


たとえそれが目に見える貢献でなかったとしても、「わたしは誰かの役に立っている」という
主観的な感覚(貢献感)を持つことができれば、人は幸福になれるのです。


貢献感が持てていると、他者からの承認を必要としなくなります。「わたしは誰かの役に立っている」と自分自身で実感できているからです。


幸福になるためには、この「貢献感」が大切。それは、「わたしはこの人に何を与えられるだろう?」と考えるということでもあります。


誰かのために、目の前の人のために、自分ができることをやる。それが「貢献感」、そして「幸福」に繋がっていきます。

5.いま、ここ

目的地に到達せんとする人生は、「キーネーシス的な人生」と言えます。これは、視点から終点までは、できるだけ効率的かつ速やかに達成されることが好ましい、ということです。


例えば、朝、自宅から会社までの通勤は、できるだけ効率的かつ速やかに達成されることを望むかと思います。電車に揺られている間も、その時間を楽しんではいないですよね。


反対に、ダンスを踊るような人生は、「エネルゲイア的人生」といいます。これは、過程そのものを結果と見なすような動きのことです。


例えば、旅をするとすれば、通勤とは違い、移動の時間も旅の一部です。できるだけ効率的かつ速やかに目的地に着くのを望むというよりも、電車の中で移り行く景色を眺めたりするはずです。


このような「エネルゲイア的人生」の方が、「いま、ここ」にスポットライトを当てて、充実した人生を歩むことができます。


「いま、ここ」にスポットライトを当てるというのは、「今できることを真剣かつ丁寧にやっていく」ということです。


人生は「いま、ここ」の連続です。「いま、ここ」を真剣に踊り、真剣に生きることが大切なのです。

アドラー心理学の入門書としておすすめ

この本は、青年と哲人の対話で進んでいくので、とても読みやすくて分かりやすいです。


わたしは読みながら、大切だと思うところや勉強になったところに付箋をはっていくのですが、
この本を読み終わったとき、ふせんがめっちゃ大量に貼られていました。


わたしは、普段から、人間関係で悩むことがほぼありません。その理由が、この本を読むことで分かりました。


それは、課題の分離ができているからです。


わたしのことを好きになるのも、嫌いになるのも、その人の自由。ということが分かっているので、好かれるために無理になにかをしたりはしません。


課題の分離ができると、人間関係がラクになるし、とても生きやすくなると思います。


この本を読んでから、わたしはアドラー心理学に興味が出て、アドラーの他の本も読むようになりました。今は、アドラーの思想を主に子育てに活かしています。


仕事でも、プライベートでも、アドラー心理学は役に立ちます。ぜひ読んでみてください(´ω`*)
 

 
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