『老後の資金がありません』垣谷美雨 あらすじと感想(ネタバレなし)

小説

今日は、垣谷美雨さんの『老後の資金がありません』をご紹介したいと思います。


○老後のお金に不安がある人
○家計管理をしている人
○主婦の人


に、おすすめの一冊です。
 

基本情報

タイトル:老後の資金がありません
著者:垣谷美雨
発行日:2015.9.25
発行所:中央公論新社
文庫化:2018.3.23

あらすじ

主婦の後藤篤子は、娘・さやかの結婚費用のことで頭を悩ませている。

さやかの結婚相手・松平琢磨は、実家がスーパーを経営していて、それなりのお金持ち。

結婚式もそれなりの規模でやりたいと考えているようだ。



夫・章は会社員。篤子は、パートで働きながら家計をやりくりしている。

コツコツと貯めてきた貯金は、老後の資金にしたいと考えている。

だけど、さやかの結婚式費用を出さないわけにはいかない。



篤子は、同じフラワーアレンジメント教室に通っている、仲良しの神田サツキに相談してみる。

サツキは夫婦でパン屋を営んでおり、無駄なお金は使わず、質素に暮らしている。

サツキの長男も結婚が決まったそうだが、親の援助はほぼしていないと言う。



サツキを羨ましいと感じながらも、やはり、出さないわけにはいかない。

結局、さやかの結婚式にかかったお金は500万円。貴重な老後の資金を切り崩してしまった。



そんな中、舅が亡くなり、その葬儀費用を負担することに…。

亡くなった人のためにそんなにお金をかけるのはもったいないという気持ちと、変にケチると、義理の妹に何と言われるか分からないという気持ちの中で揺れ動く篤子。



結局、舅の葬儀費用は400万円かかり、1,200万円あった篤子の家の貯金は、残り300万円を切ってしまった。



そんな中、篤子はパートをクビになり、章もリストラにあってしまう。

貯金がどんどん減っていく中、夫婦で無職という絶望的な状況。篤子はこのピンチをどう乗り切るのか?!

感想

垣谷美雨さんの本は、読み始めると止まらなくなります。夕方から夜にかけて一気に読みました。


この本の中でわたしが1番笑ったのは、篤子が夫のことを「章さん」と呼び方を変えたときのエピソードです。


デパートの物産展で「お父さん」と呼んだら、近くにいた中年男性たちが何人も振り返ったのを見て、呼び方を変えようと思ったというのです。


呼び捨てで「章」と呼んでもいいのだけど、親戚の集まりなどのときもクセで「章!」と呼び捨てにしてしまうのは、やはりマズイ。


そのときだけ「さん付け」をするという器用なことができるほど、自分はもう若くないと思い、「章さん」と呼ぶことにしたのだそう。


呼び方なんて何でもいいとは思いつつ、やはりいろいろ考えてしまうのも、主婦らしいですよね。


貯金が300万円を切り、焦った篤子は様々な節約に取り組み始めます。


今までだって、無駄遣いをしていたわけじゃない。だけど、今思えば、やはりアレは無駄だった。などと過去のお金の使いかたを後悔する様子がリアル。


お金に困った人は、切羽詰まっているので、普通ならやらないようなこともやってしまう。判断基準が狂ってしまう。


物語の後半は、ドキドキハラハラの展開で、爆笑しながら読みました。


お金を貯めるのはもちろん大切。だけど、お金の使い方の方がもっと大切です。


老後の資金計画をもっと頑張ろうと改めて思ったわたしでした。


天海祐希さん主演で映画化もされた作品です。ぜひ、読んでみてください。
 


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