『かくれ繊細さんの「やりたいこと」の見つけ方』時田ひさ子 レビュー

心理学

今日は、わたしの人生史上最も共感できた本、時田ひさ子さんの『かくれ繊細さんの「やりたいこと」の見つけ方』をご紹介したいと思います。


○かくれ繊細さん(HSS型HSP)の人
○やりたいことが分からない人
○好奇心旺盛で飽きっぽい人

に、おすすめの一冊です。
 

基本情報



タイトル:かくれ繊細さんの「やりたいこと」の見つけ方
著者:時田ひさ子
発行日:2022.5.14
発行所:あさ出版

かくれ繊細さんとは

数年前からHSP(繊細さん)という言葉をよく聞くようになりました。HSPとは、Highly Sensitive Personの略で、生まれつき感受性が強く敏感な気質を持った人のことをいいます。


アメリカの心理学者、エレイン・アーロン博士が発見した概念です。


かくれ繊細さんとは、HSPの中でも、共感能力が高く繊細で傷つきやすい側面(HSP)を、外向性、社交性、積極性、好奇心旺盛さという別の側面(HSS)によって表面化しないようカバーしている人のことをいいます。


かくれ繊細さんは、HSS型HSPとも言われています。


HSSとは、High Sensation Seeking の略で、「(自分にとって)センセーショナルなことを探す人」という意味です。新しい情報、新しい考え方、これまでに見たこともないものに目を奪われ、追い続ける性質のことをいいます。


HSPという繊細で敏感な気質を持ちながら、HSSというセンセーショナルな刺激を追求する気質も持っている。自分の中に相反する気質を持っているので、そんな自分を扱いきれずに困惑している人も多いです。


全人口の約20%がHSPであると言われています。そのHSPの約30%、つまり全人口の約6%がHSS型HSPだそうです。かなりの少数派だと言えます。


かくれ繊細さんの特徴としては、

・大胆な行動をとり外向的なのに傷つきやすく繊細
・人とうまく付き合えているようで、誰かの小さな発言でモヤモヤしている
・取り組み始めると、集中してのめり込む
・途中で飽きてしまい、1つのことを長く続けられない
・疲れやすく、まわりのペースに合わせられない


などが挙げられます。

かくれ繊細さんが「やりたいことが分からない」理由

かくれ繊細さんは生きづらさを抱えていることが多いです。なぜなら、世の中は全人口の80%を占める、非・繊細さんに合うようにつくられているからです。


そんな世の中に適応しようとして、繊細で敏感なHSPの部分を後ろに引っ込めて、受け入れられることの多いHSSを前面に出して生きてきたのが、かくれ繊細さんです。


一生懸命生きてきたかくれ繊細さんですが、その人生の中で、やりたいことが分からなくなった きっかけ があるはずです。


あることにどっぷりハマり、昼夜を問わず没頭していたのに、ある日急に熱が冷めてやめてしまった…。ということはありませんか?


深く没頭するのに最後までやり通せないことで自信を失ってしまったのかもしれません。


また、かくれ繊細さんは1つのことをやっているうちに、派生的にやりたいことが出てくることが多いです。


いろいろなことに興味を持つのがHSSの特徴の1つなので、1つのことを長く続けるのは、なかなか難しいのがかくれ繊細さんです。


ですが、世の中は、1つの道を究めるのがよしとされています。それができないかくれ繊細さんは、「社会人失格」の烙印を押されてしまうこともあります。


そんな社会の中で生きていかなければならなかったわけですから、世の中の「普通」や「標準」に合わせようとしてきました。そのため、自分が感じた「これ、やりたい」を蔑ろにしてしまう傾向があります。


自分の感覚ではなく、世間の感覚に合わせてしまいがちなかくれ繊細さんは、やりたいことに対する 概念 をいま一度よく考えてみることで、自分のやりたいことが見つかるかもしれません。

「やりたいこと」を自由に設定する

時田さんが提案する、「やりたいこと」で挫折するのを防ぐ10個のポイントをお伝えします。

1.やりたいことはすごくなくていい
2.やりたいことは仕事にならなくてもいい
3.やりたいことは人に評価されなくてもいい
4.やりたいことは得意なことじゃなくてもいい
5.やりたいことはどんどん変わってもいい
6.やりたいことは人のためにも、自分のためにもならなくてもいい
7.やりたいことは目的がなくてもいい
8.やりたいことは好きじゃなくてもいい
9.やりたいことのために踏ん切りをつけなくていい
10.やりたいことができないときに怠け者認定しなくていい


こうやって見てみると、全て「許可」になっているのが分かると思います。かくれ繊細さんは、世の中の「普通」や「標準」に合わせようとするので、自分に制限をかけていることが多いです。


「こうしなきゃ」「こうあらねば」と考えがちで、本当の自分の気持ちを見てみないフリをしてしまうのです。


「やりたいこと」は、もっと自由な発想でいいのです。自由に設定していいのです。


この10個を受け入れるのは、ありのままの自分を受け入れるのと同じだと思います。自分の感覚をそのまま大事にしていいんだと思ったとき、「やりたいこと」は溢れだすのだと思いました。

感想

HSPという言葉も概念も知っていましたが、わたしは「繊細」でも「敏感」でもないので、わたしのことではないと思っていました。ある日本屋さんで偶然見つけたこの本を手に取り、パラパラと読んでみました。


本には、このように書いてありました。

あなたは傷ついているとは思っていないかもしれませんが、もし「ぐるぐると考え続けてしまっている」としたら、それは傷ついているということです。

『かくれ繊細さんの「やりたいこと」の見つけ方』時田ひさ子著 あさ出版

HSPではないと思っていたわたしですが、もしかして…?と思い、そのまま買って帰りました。家に帰り、夢中になって読みました。頷きながら、たくさん付箋を貼りながら読みました。そしてハッキリと「これはわたしのことだ」と思いました。


わたしは、仕事も趣味も、どっぷりハマってとことん追求するのに、長く続けることができません。普通の人が普通にできる9:00~17:00の勤務ができません。とても疲れるからです。知らないことを知るのは大好きなので、読書量も多いです。新しいことを始めるのは大好きなのに、当たり前にできるようになると途端に飽きてしまいます。


わたしが本書の中で、1番共感したのはこの文章です。

かくれ繊細さんは、単に「やりたいことを見つけ出して、それをやったら満足」ではないということ。やりたいことに気づき、発掘し、それに挑戦し、夢中になる自分を体験するのが好きだということです。

『かくれ繊細さんの「やりたいこと」の見つけ方』時田ひさ子著 あさ出版

そう。夢中になる体験が大好きなんです。「夢中になって走っているのが好き」とも言えます。


これらが、HSS型HSP、かくれ繊細さんだからだと知り、深く腑に落ち、わたしは心の底から安心しました。まるで生まれ変わったかのような体験でした。(ちなみに、こういうパッカーン体験を好むのも、HSS型HSPの特徴のひとつです。笑)


今まで「生きづらい」というふうに思ったことはありませんでしたが、自分のことを「社会不適合者」だとは思っていました。


これは、HSS型HSPの特性を、ネガティブに捉えた考え方ですが、ポジティブに捉えることもできるわけです。そう思ったら、とてつもなく自分が愛おしくなりました。


全人口の6%しかしない少数派のために、この本を書いてくれた時田さん、そして出版してくれた出版社さんに感謝します。


この本が、届くべき人のもとへ届くことを、心から願っています。気になった方は、ぜひ読んでみてください(´ω`*)
 



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