読み始めて数ページで物語の世界に没頭、そのまま一気読みしてしまった傑作、東野圭吾さんの『沈黙のパレード』をご紹介したいと思います。
○ミステリーが好きな人
○くすっと笑えるミステリーが好きな人
○湯川先生が好きな人
に、おすすめの一冊です。
基本情報
タイトル:沈黙のパレード
著者:東野圭吾
文庫化:2021.9.10
発行所:文藝春秋
あらすじ
静岡のゴミ屋敷が火事になり、その焼け跡から遺体が2体見つかった。1つは、その家の家主のもの。もう1つは、3年前に東京で失踪した並木佐織(なみき さおり)のものだった。
佐織の家は、小料理屋である「なみきや」を営んでいる。父の祐太郎(ゆうたろう)、母の真智子(まちこ)、妹の夏美(なつみ)の3人でお店を切り盛りしている。
佐織は当時19歳。歌手になる夢を叶えるため、トレーニングに励んでいた。佐織の才能を買って、指導をしていたのが新倉直紀(にいくら なおき)と留美(るみ)夫妻だ。もうすぐデビュー、というところで佐織は行方をくらましたのだ。
逮捕されたのは、蓮沼寛一(はすぬま かんいち)。蓮沼は、以前他の殺人事件でも逮捕されたことがある。
当時12歳だった本橋優奈(もとはし ゆうな)ちゃんを殺害した容疑で逮捕・起訴されたが、蓮沼は完全黙秘を貫き、無罪となった。
今回こそはと警察も張り切っていたが、蓮沼は以前と同じく、逮捕された後は黙秘を貫き、証拠不十分で起訴されず、釈放されてしまった。
「なみきや」がある菊野市で、有名なパレードがおこなわれたその日。蓮沼は殺された。
この事件を担当するのが、刑事の草薙(くさなぎ)と内海(うつみ)。そして、草薙の友人である、物理学者の湯川(ゆかわ)教授も調査に手を貸すことになった。
おすすめポイント
おすすめポイント① ユーモア
湯川先生や、草薙の、決して笑わせようと狙っているわけではないセリフに、ふふふっと笑ってしまうことが多々ありました。このユーモアが、ガリレオシリーズの1つの魅力かなと思います。
「そんな話は聞いたことがない。心臓に毛が生えているどころか、針金が生えているような奴だった」
『沈黙のパレード』東野圭吾著 文藝春秋
おすすめポイント② 内海の心理推理
以前から思っていたのですが、内海は相手の気持ちになって考える能力が非常に高いです。草薙や湯川先生にも頼りにされる理由が分かります。湯川先生は、相手の気持ちを考えたりするのは苦手な分野なので、内海とのバランスがよく、推理に役立っているのだと思います。いいコンビ!
おすすめポイント③ 湯川先生の教え
湯川先生は、ときどき深いことを言います。実験で例えているのですが、人生に活かせる教訓のようで、わたしは参考にしています。
大抵の場合、実験の結果がどうなるかは学生たちもわかっている。だから彼等は、好ましい結果が出るように作業を行う。時には計測器の目盛りを多めに読んだり、少なめに読んだりしながらね。それで狙いに近い結果が得られたら満足してしまい、自分たちが根本的なミスを犯していたことに気づかなかったりする。正しく実験が行われたかどうかを判断するには、どんな結果が出るかなんて、知らないほうがいいんだ。
『沈黙のパレード』東野圭吾著 文藝春秋
感想
読み始めてたった数ページで、完全に物語の中に入り込ませる東野圭吾さんの力に、改めて驚きました。そのまま一気読み~!
2度逮捕されておきながら、2度とも有罪を免れている蓮沼は、強敵だと思いました。蓮沼を逮捕する話だと思っていたので、思わぬ展開にビックリ。
最後、これで決着、と思われたとき、わたしは物足りなさを感じていたので、その後にさらなる真実が出てきて、さすが!と思いました。
佐織が殺された理由が、わたし的にはイマイチでしたが、読みながら頭の中のスクリーンでは、福山雅治さんや柴咲コウさん、北村一輝さんが動いていました。ストーリーも、トリックも、とても面白かったです。
2022年9月16日に、映画化されるとのことなので、見に行きたいなと思いました(´ω`*) 映画を観る前に、ぜひ原作を読んでみてください。
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