『マルチ・ポテンシャライト 好きなことを次々と仕事にして、一生食っていく方法』エミリー・ワプニック 著 要約とレビュー

ビジネス

のめり込んでは飽きる、を何度も繰り返す人の希望の書、エミリー・ワプニックさんの『マルチ・ポテンシャライト 好きなことを次々と仕事にして、一生食っていく方法』をご紹介したいと思います。


○飽き性な人
○何度も転職を繰り返している人
○HSS型HSPの人


に、おすすめの一冊です。
 

基本情報



タイトル:マルチ・ポテンシャライト 好きなことを次々と仕事にして、一生食っていく方法
著者:エミリー・ワプニック
発行日:2018.9.4
発行所:PHP研究所

マルチ・ポテンシャライトとは

マルチ・ポテンシャライトとは、様々なことに興味を持ち、多くのことをクリエイティブに探究する人のことを言います。


1つのことに夢中になり、寝食を忘れて没頭していたかと思うと、ある日急に飽きて、その後は見向きもしなくなる。そしてまた、別の夢中になる対象を見つけてのめり込む…。というのを繰り返す人たちのことを指します。


この性質を持っている人は、仕事の面では転職を繰り返すことが多いし、プライベートでは、多趣味だったり、趣味がどんどん移り変わっていくことが多いです。


この性質を持っている人のことを、一言で言うと「器用貧乏」です。


HSS型HSPといわれる、刺激追求型のHSPさんは、このマルチ・ポテンシャライトにあたると思います。わたし自身、HSS型HSPですが、この本に書かれていたことは、首がもげるほど頷きまくりました。


1つのことを究めることがよしとされているこの世の中で、マルチ・ポテンシャライトは、「仕事」「生産性」「自尊心」という3つの分野で苦労することが多いです。


いろいろなものに興味を持つが故に、1つの仕事を続けることができません。はじめはのめり込み、すぐにスキルを習得しますが、ある程度できるようになると途端に興味を失います。そんなことを繰り返すうちに、自尊心は木端微塵になってしまうのです。


一見、いいところがないようにも見えるマルチ・ポテンシャライトですが、実はすごいパワーを秘めています。

1.アイディアを統合できる
2.学習速度が速い
3.適応能力が高い
4.大局的な視点を持っている
5.様々な分野をつなぐ「通訳」になれる

マルチ・ポテンシャライトである、というのは、個性の1つです。鼻が高いとか、足が速いというのと同じように「マルチ・ポテンシャライトである」というだけなのです。


この概念を知るまでは、ただの飽き性で、仕事が続かない、社会不適合者だったかもしれませんが、もう大丈夫です。あなたは「欠陥人間」なのではなく、ただこの世界が、非マルチ・ポテンシャライト向きに作られているので、生きづらいだけなのです。


この本は、そんなマルチ・ポテンシャライトが、どのように生きていけばいいかを教えてくれる本になっています。

マルチ・ポテンシャライトが幸せに生きる秘訣

マルチ・ポテンシャライトが幸せに生きていくためには、「お金」「意義」「多様性」という3つの要素を満たす人生を設計する必要があります。


お金

お金という要素は必要だけど、お金以外の要素も必要です。それは、「目的意識」「自分を知っていること」「打たれ強さ」「冒険心」などだと著者は言います。


意義

「なぜ」その仕事をしているのか?その活動をしているのか?という意義が必要です。仕事や収入に繋がらなくても、人生を豊かにしてくれる活動もありますよね。人生全体で「お金」と「意義」を満たせばいいのです。


多様性

マルチ・ポテンシャライトは、どんなに好きなことでも1つのことだけをずっと続けていくことはできません。

キャリアに豊かなバリエーションを持てば、1日の中でいくつもの活動に携わり、「お金」も「意義」も得ることができるし、ほどよい頻度でプロジェクトの間を行き来できる。

『マルチ・ポテンシャライト』エミリー・ワプニック著 PHP研究所

マルチ・ポテンシャライトが幸せに生きていくためには、「お金」「意義」「多様性」をキーワードに、それらをバランスよく得られるように人生を設計することが大切なのです。


それは、1つの仕事で得られる場合もあるかもしれませんし、何個かの仕事や活動を掛け持つことで得られるかもしれません。


この3の要素がちゃんと足りているかを確認することで、人生が充実することは間違いありません。

マルチ・ポテンシャライトの4つのワークモデル

「お金」「意義」「多様性」の3つをバランスよく得るためのワークモデルを4つご紹介します。

1.グループハグ・アプローチ

ある1つの多面的な仕事に就き、その中でいくつもの分野を行き来することです。プロデューサーやディレクター、個人事業主などは、何か1つだけの仕事をするのではなく、様々な分野を受け持つことが多いですよね。仕事は1つでも、作業や分野にバリエーションがあると、「お金」「意義」「多様性」の3つを得ることができます。

2.スラッシュ・アプローチ

パートタイムの仕事やビジネスを掛け持ちし、精力的にその間を飛び回ることです。2個~5個の仕事を掛け持ちしている人が多いそうです。


例えば、学校での調理の仕事は「お金」の比重が高いけど、「意義」はそこまで感じない。移動式の本屋の運営は「お金」の比重は低いけど、「意義」の比重が高い。このように、1つ1つのバランスは違っても、いくつかの仕事全体で「お金」「意義」「多様性」を得よう、という働き方です。

3.アインシュタイン・アプローチ

安定した「ほどよい仕事」をしながら、情熱を注げる取り組みを他に持つことです。残業がなく、ゆるい会社で正社員として働きながら(「お金」)アフター5や休日に、自分が夢中になれる仕事や活動をおこなう(「意義」)という働き方です。


相対性理論を発表したアインシュタインも、このように正社員として働きながら、研究をしていたそうです。

4.フェニックス・アプローチ

数ヶ月、数年ごとに業界を移り、興味を1つずつ掘り下げていくことです。例えば、最初は事務をしていて、2年後には営業職に移り、3年経ったらテレビ業界に移る、のように、次々と業界を移動していく働き方です。



4つのワークモデルがありますが、どれがしっくりくるかは、人それぞれです。自分に合っている働き方で、「お金」「意義」「多様性」の3つを得ることを考えて選ぶことで、人生がより楽しく充実したものになります。

感想

わたしは今まで数えられないくらい転職をしてきました。正社員、アルバイト、問わずです。新しい会社で働き始めて、最初の3ヶ月くらいはものすごく楽しいのです。それは、知らないことを知る、できないことができるようになる、たくさんの刺激があるからです。


ところが、仕事がある程度できるようになってくると、飽きてしまうのです。それで辞めてしまう。履歴書には書ききれないほどの職歴があります。


この本に出会い、そんなわたしの性質は、1つの個性なんだと気づき、とてもラクになりました。今まで自分の性質の悪い面ばかり見ていましたが、裏を返せば、いい面もたくさんあると気づくことができました。


この世の中は、マルチ・ポテンシャライト向きには作られていません。なので、生きにくいです。ですが、この本にはマルチ・ポテンシャライトの才能を発揮して充実した人生を送っている人がたくさん出てきて、勇気がもらえます。


4つのワークモデルも非常に参考になります。「こんな働き方もアリなんだ」という新しい発見がありました。わたし個人としては、スラッシュ・アプローチが1番合っていると思います。思い返せば、いつもスラッシュ・アプローチをしてきたように思います。


午前中は通信教材の添削をおこない、午後からは飲食店で働く、とか。今だって、「幼稚園ママ」と「このブログの運営」と「幸せマインド探究家としての活動」の3つを掛け持ちしています。


この本を読んで1番よかったことは、いくつもの仕事を掛け持ちすることや、興味を持つ→のめり込む→興味を失うを繰り返すことを、受容できるようになったことです。これがわたしの個性、と思えるようになったことが1番嬉しかったです。


仕事が続かないことに悩んでいる方は、ぜひ読んでみてください(´ω`*)
 

 
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