『白夜行』東野圭吾 著 あらすじと感想(ネタバレなし)

小説

東野圭吾さんの作品の中でも特に人気のある傑作、『白夜行』をご紹介したいと思います。


○壮大なミステリーが読みたい人
○考えさせられる作品が好きな人
○暗い話が好きな人


に、おすすめの一冊です。
 

基本情報



タイトル:白夜行
著者:東野圭吾
発行日:1999.8.10
文庫化:2002.5.25
発行所:集英社

あらすじ

1973年、大阪の廃墟ビルで1人の男が殺された。桐原洋介(きりはら ようすけ)という質屋を経営している男だった。男は、鋭利な刃物で5箇所刺されていた。


被害者の男には家族がいた。妻の弥生子(やえこ)と、小学5年生の息子、亮司(りょうじ)だ。


容疑者は何人もいた。質屋「きりはら」の店長をしていた松浦勇(まつうら いさむ)。質屋「きりはら」の客だった西本文代(にしもと ふみよ)。西本文代が働いているうどん屋に通っている寺崎忠夫(てらさき ただお)。


容疑者全員が怪しかったが、証拠がない。捜査は難航していた。


そんなとき、西本文代がアパートで亡くなった。ガス中毒だった。西本文代には娘が1人いた。並外れて美人な少女、西本雪穂(にしもと ゆきほ)だ。


結局、犯人を捕まえることはできずに、事件は迷宮入りしてしまった。


この事件を担当した刑事、笹垣潤三(ささがき じゅんぞう)は、この後19年に渡って2人の人物を追いかけ続けることになる。


被害者の息子である桐原亮司と、容疑者の1人であった西本文代の娘、西本雪穂である。


2人には接点がない。全く別々の人生を歩んでいる。だが、2人の周りでは、様々な犯罪が起こる。だが、どの事件も証拠が見つからない。


これは、1つの事件から始まった、壮大なスケールのミステリーである。

感想

わたしは東野圭吾さんの作品が好きです。『白夜行』はとても人気のある作品なので、読みたい読みたいと思いながら読んでいませんでしたが、今回やっと読むことができました。


読後は、しばらくこの作品のことを考え続けてしまうほど、余韻が続きました。『容疑者Xの献身』を読んだ後もこのような状態になったので、余韻が似ているかと思います。


この作品は、亮司と雪穂という2人のことが描かれているのですが、亮司と雪穂の目線から書かれている文章は1つもありません。すべて亮司と雪穂以外の、周りの人の目線から書かれています。


2人を19年間追い続けてきた刑事の笹垣は、亮司と雪穂のことをテッポウエビとハゼに喩えています。

「テッポウエビはね、穴を掘ってその中で生活するらしいです。ところがその穴に居候しとるやつがおる。魚のハゼです。そのかわりにハゼはふだん穴の入り口で見張りをしとって、外敵が近づいたら尾ひれを動かして中のテッポウエビに知らせるそうです。見事なコンビネーションや。相利共生というらしいですな。」

『白夜行』東野圭吾著 集英社

テッポウエビが雪穂、ハゼが亮司、というわけですが、すべて読み終わったあとにこのことについて考えると、切なく苦しい感情が湧きます。


タイトルにある「白夜」ですが、ウィキペディアには、「真夜中になっても薄明になっているか、または太陽が沈んでも暗くならない現象のこと」とあります。


読み終わったあとに、タイトルを改めて見てみると、うまいなぁと思うのと同時に、苦しさも感じる秀逸なタイトルです。


文庫で864ページというかなり長い作品です。ですが、読み終わったあと、必ずこの2人があなたの心のなかに住み着いて、あなたに新しい感情を連れてきてくれます。


ぜひ、読んでみてください(´ω`*)
 

 
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